ここでは、「見る」という動詞の話です。
「見る」は、「み・み・みる・みる・みれ・みよ」という変化をします。上一段活用の動詞です。
ということは、ここでは、「見」という未然形だけですから、「ゆ」は、助動詞ということになり
ますね。
「ゆ」という接続したものについては、同じ歌を助動詞のぺーじでお話しています。

この動詞のように上一段活用のものには、「煮る」「似る」「着る」「射る」「省みる」「試みる」
「顧みる」「率る」などがあります。

ところで、何故「上一段」とか「下一段」とかいうのか?ですね。

四段活用は、ア段からエ段まで順番に活用しますね。
例えば、「聞く」ならば、「き・き・き・き・き・き」というようになります。

上一段活用は、ウ段を中心に見たとき、その上の一段だけ活用の形があるということです。
「見る」の場合、「み」は、マ行です。ウ段なら「む」ですけれど、その上の一段だけですから、
「み」だけで活用します。

逆に下一段活用は、ウ段を中心に見たとき、その下の一段だけ活用の形があるということ
です。
例えば、「経る」であれば、「へ」のみの活用となるのです。

先にあげた下二段の「撫づ」は、「づ」と「で」の活用ですから、ウ段とその下の一段で活用
することで、下二段活用と呼ばれます。
名前の由来など話してしまいました。

この先は、また、ゆっくりと・・・・。




橋をゆく時千曲川藍深くふたわかれせし水流が見ゆ    

                             稲葉 京子
91歳のお母様を送られた作者が、「この世でしか逢うことはない」という切ない気持ちで
詠った挽歌です。その齋藤さんも先日亡くなられました。

輪廻転生を信じる人もいらっしゃることとは思いますが、作者は、多くの送りの経験を経て、
このような現世の認識に立っておられたのでしょう。

さて、文法的に見ると、まず、結句の「撫づる」という動詞にいきたいと思います。
文語動詞「撫づ」の連体形です。
本来、その後に、体言が続きますが、このように止めて「もの」「こと」などをふせて、余韻
を持たせることもします。

下二段活用の動詞ですので、「撫で・撫で・撫づ・撫づる・撫づれ」という形になります。
同じものに、「出(い)づ」「愛(め)づ」などもあります。


のちの世にめぐり逢ふとも思へねば母の落ちたる瞼を撫づる    

                             斉藤 史
動詞についても、文語・口語という説明も出てきますし、自動詞・他動詞という分類も
出てきますし、どちらにしても膨大な量の説明が必要です。

よい説明ができる歌に出会えればいいと思いながら・・・・・。
その3 動詞を考える
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