短 歌 
<2001>
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Risk〜ぼ・う・け・ん
                ひ
暗黒の視野に灯ともす紅き星Drasticに血を滴らせ  
心をやみ独りおのずと地に落ちぬPleiadesにはなれず星かげ
全天を焼き焦がさんと輝ける星にゆだねてFeezeDry
星めぐり気づかぬふりで行き着けば閉じ込められるComplex          
鼻歌で上機嫌を装おうララRagtimeゆられてゆれて   
                                    かたえ
まんまろとLullaby流れ陽は落ちぬ片方にふとも温もりありて  
しなやかにBlueRainのひとつぶのきらめきのなかに咲く忘れ花      
ひとコマのくちづけやさしすぎたから不定の雲もLargoに流れ





たとえば・・・
たとえば手 ほくそえんでもいいほどの幕引くときをはかりあぐねて
                                          こ
たとえば眼 温もり色の夕焼けを走り来る娘のために映して
                         さだめ        レーベン
たとえば血 親子たれとう運命こそこの生命の尽きるまでもと
たとえば名 竹帛に垂ることなくもわたしはわたしのドラマに生きて
たとえば声 トーン抑えた空間に捨て去るだけの時計を見てる
たとえば耳 求め続けた一言も「クス」と笑って聞き流すふり
たとえば髪 あふれ出そうな衝動も凍てつく風に細く流れて
たとえば指 水の流れに逆らえずクールな色にマニュキアを塗る
解き放つ
解き放つ勇気を我に与えしはやさしき言葉などではなくて
あかときの序章に扉たたかれむ詠う意味など確かめており
おちこち
遠近にみちびくものに道を問うかそけき光いずこのものか
まよい道あけゆく光に照らされて誰にみせばやたまのおばかり
時かけて光がつくるシルエット一秒ごとに確かなものに
描けずに攫みきれずに見渡せば色ながら散る一葉愛しき
月光のゆらぐ水面をゆく小舟風のよすがに別れ来ぬれば
解き放つことさえならずある念い開かれぬままのむなしき唇
瞳をとめて
距離感のつかめぬままにトリミング stone greyの瞳をとめて
                                    まこと
折りたたむ傘のしずくもうけとめる実の我を拒まずとして
あてどなく坂道づたいに歩きゆく都会の闇に抱きしめられて
花びらのひと重を解きてまたひとえ雨音さえも細くひびかせ
なにげない言葉ひとつでふいと立ち背中で別れ告げられる朝
たぐり寄せ糸のもつれをほどきゆくひとりの朝のありなしの風
               アブストラクト
「いつかまた」抽象的なままでよいAmのバラードだから
せつなさも残る香りもうすれゆき窓の外にはオレンジの雨
涼風(すずかぜ)
涼風にぬくもりの距離はかれずに応えも見えぬこの裏葉草
ひっそりとけやきの下にまつられし観音像に静慮の涼風
天蓋の飾りゆらして吹きぬけし涼風に君の薄匂いして
言葉にはつくせぬ思いあまたあり空には蒼みの残る夕暮れ
藍浴衣 古都の夕べの涼風は君待つわれをそっと撫でゆく
まさやか
真明に秋立つ今日をいきいきと君の面差し持つ若者は
                                                  そら
生きつづけ歩きつづけて身のつまり君を奪いし天に月かげ
君逝きぬ九月九日ふたたびの風の音にぞこころ澄まさん
動中の功夫
〜今を見つめて
右ひだりすすむ山道つづら折りビロードの空ただほっこりと
  
ひとすじにのびゆく白き石畳過去と未来を切り離しつつ
  
石庭にそそとすぎゆく風の見ゆ「動中の功夫」深き息して
           みをしるあめ
降りだした知身雨のその奥に深き不実の現つを抱え
よ  べ
昨夜の雨乾いた心癒されて別れゆく朝デクレッシェンド
  
一瞬を一瞬としては生きられずめざめの波動うずなえぬのも
                                             ア リ バ イ
かぎりなき思いのままに詠めばなお我の不在証明のくずされてゆく
                                 くう
鏡には写らぬほどの身の震え空にたゆたう今を見つめて
心の轍
心の轍   動中の功夫   涼風   瞳をとめて   解き放つ   たとえば・・・   Risk
紫陽花に迷いあぐねて枝蛙今日はいずれの色に染まろう
朝曇り水色に添う枝蛙今日は悲しい役を演じて
反逆の言葉を持たず色を変え引っ込み思案のままの紫陽花
夕日影そよとの風に振り向けば「私も見て」と紫蘭ひともと
梅雨の間の晴れたる空の麦星のアンチテーゼに純白の星
埋める術持たぬ心の轍あり遠くが見えて近くが見えず
寂しきはKeyを打ち込むその裡の心の轍埋められぬこと
鮮やかに用意されてる答えなど聞えぬふりの我エトランゼ
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