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2016年



12月 「頭ぽんぽん」

ありがとう大好き楽しいまた明日学童保育のキラキラ言葉

預かるは身体にあらずと胸におく児らの心を笑顔につつむ

疲れたの言葉をはかり児の頭ぽんぽんとする励ましに代え

学童に帰り来る子のただいまににじむ悔しさひと日を想う

不安なる心のおさな灰色の言葉吐きたるさえもいとしき

追われいる時間に乗れぬと泣くおさなただ背を撫でぬただ頷きぬ





11月 「まめやかに」

あかきいろ追いかけっこする落ち葉たち重ねる日々に歌は生まれる

伝統の重さかなしさ吹く風はひとところにはとどまらざるもの

ゆったりと流れる声音に身をゆだぬ心の凸凹ならされて今

痛きこと生きいる証しと笑う師ののびやかなりて胸にととのう

忠実やかに生きんとするもゆく道に栗のいがいが私をつつく

鼻唄にゆく散歩道の夕焼けに明日を託しぬHigh-Fiveして




10月 「うた詠みて秋」

静かなることを伝うる一句立つそぎ落としたる美を突きつけて

プレバトという番組に起ち上がる俳句の魅力詩歌の魅力

こんなにも機微をあらわすことの葉を持ちたる我ら大和心に

やまとうたやまとことのはやまとおりやまとごころの麗しき国

安らげるオレンジ色に光ふる柿の実りのうたよみて秋

なんぴとの説き諭さんともひとすじの思いの道を強くくわしく




9月 「やさしさ」

預かりしものみな守る覚悟すもオフショアの風とどまるは無き

言い訳の言葉はひとつも持たぬゆえ壊れゆく日はじっと受けとむ

弱体化した日本人やさしさと勘違いした言葉行き交う

偉大なるSMAPもろくも崩れゆく大人の事情にシラケた夏に

言の葉のうら読めぬ人おどる人おどらせる人ただ耐ふる人


ずぶずぶと足のぬけざる負の沼に一本のみのロープ頼りに

感動の二文字に足らぬリオ五輪あきらめぬことはただに(くわ)しき

落ち込みのスパイラルなんて苦笑い深紅の薔薇を逆さに吊るす


この薔薇がドライに命を延ばすよう変われ自分と暗示をかくる




8月 「一回休み」

トコタコとゆく背に濡れしランドセル小さな傘に守られる子の 

雨傘のリズムはいく度も見た景色 坂を上がって来るのは君だ

さんかくの傘に並びし二つ名を解き放つには雲厚き空

時流る どんな想いも案外と曖昧なもの卯の花腐し

サイコロが一回休みのマスをさすルーティン狂う空もむずかる

ぼんやりにひたるすべなどもたずしてあだごと一つ二つすており

味方などいなかったことが夏の罰 ヒリヒリいたむ肌を冷やそう

ばかものになってしまったわたくしを笑う夕焼け大き夕焼け





7月 「やさしいきびだんご」


降り立ちてゑびす通りをはづみゆく思ひつづけし倉敷の町

趣を残す建物ほそき路地美観地区とふ名に似つかはし

しなやかな風のまにまに照り返しやなぎ倉敷川のいろどり

ふたたびの岡山城にひとり立つ学生時代の思ひを手繰る

連綿とつむがれて来し梟雄の史実をたどる岡山城に

ネーミングはやさしいきびだんご響きゆかしと友の土産に




6月 「3600秒」

別れ来て振り返るには早すぎる 雨音はまだ半音高く

燃えさかる嫉みを消してあげませう 雨の匂ひの紫陽花咲かす

髪撫づる大き手のあり今だけはこのはつ夏の風のまにまに

やはらかな手のなかにあればいびつなる心はぽとり棘を落としぬ

3600秒さびしみひとつ癒されてわたくし色の風の生まるる

口遊む音に若やぐ木五倍子の芽 舌にわづかな苦み残るも




5月その二 「心に適ふ」

アリエルがニモが描かるるプラ板の向かふ側にはをさなの笑顔

黙々とキャラを写して色付けす子らのプラ板熱帯び くわんせい

オーブンに焼き縮められしプラ板のキャラはをさなの心に適ふ

シリアスな疼き薄れていつしらに春をうたひしをさなと和する

はるといふ軽みを受けて踏み出しぬさびしき胸の疼きを解きて

振り返るしぐさの先に立つ懸想なまなましくもにがくもありて




5月その一 「不自由」

わたしには見せない顔があることを知らせるメール 眼にする不自由

真実を言はぬ勇気を選択す足元に散らばる(あくた)拾ひつ

花びらと風と幼の鬼ごっこ見つむるしばしあやされてをり

追はれつつゆく花びらと子らの風くるりふはりとまどかまどかに

本当に大事なものははかれずにダンゴムシになる 私が出来た


強がりも弱がりもせずあるがまま風に呼ばれて地に還る花



4月その三 「耳鳴り」

耳鳴りのつづく週末 背信の桃色の月は西空をゆく

いとしさを心に置きしがあだとなり思はぬ風がさらふ花びら

花びらは樹の体温から放たれてかなしき自由を生きるつかの間

昨日見し風のゆらぎの花たばをふたたびは無きと今にし想ふ

激しかる波のかたちに樹々ゆれて枝葉かかげて花をゆかしむ

リピートに春なつあきふゆはるが来て力なく在らば風と消えゆく



4月その二 「花散る里」

点と点つなぎて角ある(かたち)成す 男前なるひとりのをんな

ゼロにするだけならやさしい気がしてた 忘れねばこそ春は送れぬ

ゼロにするだけならきびしい気がしてた 女だてらにばかやらうとか

凸凹をなくして重ね来た積み木 蹴散らしてゐる笑ひ泣きして

気持ちとふ単語逆引きしながらに口角上がる単語に出会ふ

声高に叫ぶ気質は持たずしてB型われの不断を見切る

泣きつつもきれいとかすかつぶやけば花散る里の時はゆきすぐ



4月その一  「クロニクル」

七色のペン使ひ分けクロニクルとどまることの苦手を示す

速了に万能液と身に流すビタミンウォータートリプルエックス

わたくしが咲かせませうと言ふやうに開花予報を伝ふる声音

夢持ちてアカペラ道を来し息子弱さも強さもボイパに響く

泣き笑ひ重ねて道は太くなり六つの魂アカペラとなる

アカペラの魔法を解きて発ちゆく子しあはせ呪文かけて見送る



3月  「分別(ぶんべつ)

暗色の服が好みのわたしゆゑ春は近づき難しと時雨る

足先の冷たさ語る人はなし光の春の歩幅小さく

ため息のひとつに幸ひ逃すとふ(はは)のことの葉ふかく息吸ふ

忙しさ言はぬがポリシーわが想ひ空へ投げ上げ地を踏みしむる

煽られて春一番に二歩三歩おほきな春がわれを動かす

レベル問ふ人の目線の分別がわたしを壁に押し込めてゆく



2月  「そら」

作り手の情熱かかへISS光となりて宙走りゆく

困難に勝つとふ意志を透き通る空に示してヤドリギは立つ

本棚の一冊分の空間に想ひ出たどる小さな時間

悲しげに置かれし本を手に取りてかなしき刻のゆく空を見る

「マジ?」「マジか!」行き交ふ会話の本気度をはかり異界の入口に居り

なるやうにしかならぬもの決然と引導渡す冬の夕焼け




1月  「ハレの日」

コツコツの努力の出来ぬ子が耐へて内定報せ来ハレの日となる

幸せを健やかをとふ想ひのみかかへて祈りつハレの日ごはん

サムライと呼ばるる月に芯のある姿に立つ子 内定式へ

やさしさときびしさの差をはかりつつ足裏にゴツゴツ石畳ゆく

古来よりニシムクサムライ小の月我が家は大なる月に変はりぬ

どれほどの思ひを口に出さずとも笑顔にあれば ただ母として





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